連載 健康関連QOL評価法
包括的QOL尺度
鈴鴨 よしみ
1
,
田中 尚文
2
1東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野
2帝京大学ちば総合医療センターリハビリテーション科
キーワード:
健康関連QOL
,
患者報告アウトカム
,
包括的尺度
Keyword:
健康関連QOL
,
患者報告アウトカム
,
包括的尺度
pp.639-641
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200661
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
健康関連QOL尺度は,単次元で測定する効用値尺度と多次元的に測定するプロファイル型尺度に大きく二つに分類される.効用値尺度は「選好に基づく尺度」とも呼ばれ,領域ごとの点数に重み付けがなされ,最終的に複数領域を1つにまとめた点数(効用値)を算出できるという特徴がある.医療技術の経済評価において質調整生存年(quality-adjusted life year;QALY)を算出するのに活用される.その単純さゆえに,臨床的な評価としては適さないと考えられている.効用値尺度は,生活の質(quality of life;QOL)を価値付けして一次元で表すのに対し,プロファイル型尺度はQOLに含まれるさまざまな領域(domain)を1つにまとめるのではなく,多次元(multi-dimension)のまま表現する尺度である.プロファイル型尺度は包括的尺度と疾患特異的尺度に分けられる(表).今回は,包括的尺度の特性,尺度の具体例や使い方などについて解説する.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.