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第1土曜特集 全ゲノム解析に基づく難病のゲノム医学
各論
筋疾患におけるゲノム医療
-――トランスクリプトーム解析とロングリードシークエンス
Genomic medicine in muscular diseases
――Transcriptome analysis and long read sequencing
江浦 信之
1,2
,
野口 悟
1,2
,
西野 一三
1
Nobuyuki EURA
1,2
,
Satoru NOGUCHI
1,2
,
Ichizo NISHINO
1
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第一部
2奈良県立医科大学脳神経内科
キーワード:
遺伝性筋疾患
,
遺伝学的診断
,
トランスクリプトーム解析(RNA-seq)
,
ロングリードシークエンス
Keyword:
遺伝性筋疾患
,
遺伝学的診断
,
トランスクリプトーム解析(RNA-seq)
,
ロングリードシークエンス
pp.51-57
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2850151
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遺伝性筋疾患に対する遺伝学的診断は従来,ショートリードシークエンスを用いてコーディング領域の遺伝子変異を同定することにより行われてきた.しかし,この手法では近年報告されている非翻訳領域,イントロン領域,プロモーター領域などのノンコーディング領域に存在する遺伝子変異や,エピジェネティック変化が原因となる疾患は診断できない.ロングリードシークエンスやトランスクリプトーム解析(RNA-seq)は,こういった問題を解決する新たな手法として近年注目されており,筆者らはこれらの手法を駆使することで非翻訳領域のリピート伸長(眼咽頭遠位型ミオパチー),イントロン領域の大きな構造異常とトランスクリプトの変化(デュシェンヌ型筋ジストロフィー),プロモーター領域のエピジェネティック変化(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)を明らかにした.ロングリードシークエンスやRNA-seqは単なる診断ツールにとどまらず,変異と病態との関連を明らかにするうえで重要な情報を与えてくれる.
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