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第1土曜特集 全ゲノム解析に基づく難病のゲノム医学
各論
難聴の全ゲノム解析
Whole genome sequencing analysis of deafness
西尾 信哉
1
,
宇佐美 真一
1,2
Shin-ya NISHIO
1
,
Shin-ichi USAMI
1,2
1信州大学医学部人工聴覚器学講座
2信州大学名誉教授
キーワード:
遺伝性難聴
,
症候群性難聴
,
全ゲノム解析
,
ロングリード型次世代シークエンサー
Keyword:
遺伝性難聴
,
症候群性難聴
,
全ゲノム解析
,
ロングリード型次世代シークエンサー
pp.59-65
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2850159
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先天性難聴は,新出生児1,000人に1~2人に認められる比較的頻度の高い疾患であり,そのうち60~70%に遺伝子が関与することが推測されている.全ゲノム解析のコストの低下に伴い,難聴の遺伝学的検査においても全ゲノム解析を行う例が増加してきており,新規原因遺伝子の探索などに活用されている.また,全ゲノム解析が特に有用な場面として,copy number variationの検出,deep intron領域のバリアントの検出,プロモーター領域のバリアントの検出があげられる.さらに,ロングリード型の次世代シークエンサーを活用した全ゲノム解析は,segmental duplication領域やコピー数の変化を伴わない逆位・転座などの構造異常の検出に非常に有用である.今後,難聴の遺伝子解析においても,全ゲノム解析が活用される範囲がさらに拡がると考えられる.
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