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Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 284, Issue 5 （February 2023）

医学のあゆみ 284巻5号（2023年2月発行）

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第1土曜特集肺高血圧症のすべて――病態研究と治療法の最前線

トピックス

Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy（PTTM）の診断と治療 Diagnostic and therapeutic approach for pulmonary tumor thrombotic microangiopathy（PTTM）新保麻衣 ¹ Mai SHIMBO ¹ ¹東京大学医学部附属病院循環器内科，同コンピュータ画像診断学/予防医学講座キーワード： Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy（PTTM） , がん , イマチニブ , VEGF（血管内皮細胞増殖因子） , PDGF（血小板由来成長因子） Keyword: Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy（PTTM） , がん , イマチニブ , VEGF（血管内皮細胞増殖因子） , PDGF（血小板由来成長因子） pp.415-420

発行日 2023年2月4日 Published Date 2023/2/4

DOI https://doi.org/10.32118/ayu28405415

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　Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy（PTTM）はがんに随伴し肺動脈塞栓症様の病態を示し，急速進行性の肺高血圧症（PH）と呼吸/右心不全を呈する致死的疾患である．病理学的には肺小細動脈の腫瘍塞栓，内皮細胞の線維細胞性増殖や血栓形成があげられ，PDGF（血小板由来成長因子）などの増殖因子の関与も推測されている．疾患認知度はまだ低く，生前診断も困難なため正確な罹患率は不明だが，潜在患者が多く存在する可能性がある．早期診断・治療が望まれるが確立した診断基準はなく，既知のがんの有無にかかわらず，急速進行性の低酸素血症を呈するPH患者をみたら本症を鑑別にあげることが重要となる．確立した治療法もないが，イマチニブなどのPDGF受容体阻害薬やVEGF（血管内皮細胞増殖因子）阻害薬が有効という症例報告が複数なされており，集学的アプローチに加え系統だった症例蓄積が必要と考えられる．