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第1土曜特集 肺高血圧症のすべて――病態研究と治療法の最前線
トピックス
肺動脈性肺高血圧症の病態解明と新規治療の展望
The perspectives of novel therapies based on the molecular pathogenesis of pulmonary arterial hypertension
中岡 良和
1
Yoshikazu NAKAOKA
1
1国立循環器病研究センター研究所血管生理学部
キーワード:
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
,
2型骨形成タンパク質受容体(BMPRⅡ)
,
ソタテルセプト
,
インターロイキン6(IL-6)
,
レグネース1
Keyword:
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
,
2型骨形成タンパク質受容体(BMPRⅡ)
,
ソタテルセプト
,
インターロイキン6(IL-6)
,
レグネース1
pp.408-414
発行日 2023年2月4日
Published Date 2023/2/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28405408
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肺動脈性肺高血圧症(PAH)は肺動脈に狭窄・閉塞をきたして平均肺動脈圧(mPAP)が25mmHg以上となる肺動脈圧上昇を呈する疾患であり,肺高血圧症(PH)の最も典型的な臨床像を示す疾患群である.PAHは遺伝性素因と外的刺激のクロストークによって発症すると考えられている.PAH発症で遺伝性素因は重要ではあるが,その疾患浸透率は約20%とされて,PAH発症には環境要因としての炎症,感染や薬物・毒物曝露などの外的刺激が重要と考えられている1).筆者らは炎症とサイトカインに焦点を当てて,PAH発症機構に関する研究をこれまで進めてきた.本稿では,PAH病態の①遺伝性素因に基づく分子機序,②外的刺激としての炎症性シグナルに焦点を当てて,PAHの治療法開発の現状と今後の展望について述べたい.
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