Japanese
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特集 微小循環からみた心血管病変
糖尿病におけるmicroangiopathy
Diabetic microangiopathy
水野 美淳
1
Yoshiatsu Mizuno
1
1東京女子医大糖尿病センター
1Diabetes Center, Tokyo Women's Medical College
pp.733-739
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205506
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はじめに
糖尿病は高血糖,糖尿病昏睡を主徴と考えて治療していた時代が既に過ぎ去り,糖尿病合併症を予防するための治療が中心となりつつある。その主体である糖尿病性細小血管症は,糖尿病の合併症というよりも,むしろ糖尿病という疾患そのものの病態の一部を成している。
糖尿病性細小血管症は網膜症,腎症,神経症の他,全身的に(心筋その他)各臓器に多かれ少なかれ合併し,糖尿病性代謝異常および糖尿病の素因と密接な関連があるが,各臓器によって,高血圧その他の修飾を受け,その出現は必ずしも一様に進行するものではない。網膜症には糖代謝が最もよく反映し,腎症は高血圧,神経症は飲酒その他種々の要因が関与するので,以下には,腎症を中心として、糖尿病性細小血管症と糖尿病代謝異常との関係を考えてみたい。
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