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特集 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)研究における最新知見――感染経路,病態,予防,治療
自然界におけるSFTSウイルス伝播様式
SFTS virus transmission cycle in nature
岡林 環樹
1
Tamaki OKABAYASHI
1
1宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター,同農学部獣医学科獣医微生物学研究室
キーワード:
マダニ
,
吸血
,
野生動物
,
経齢間伝播
,
経卵伝播
Keyword:
マダニ
,
吸血
,
野生動物
,
経齢間伝播
,
経卵伝播
pp.129-132
発行日 2023年1月14日
Published Date 2023/1/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28402129
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2011年に中国で新たに報告された重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は,マダニ媒介性人獣共通ウイルス感染症であり,自然界ではマダニ-哺乳動物によりその病原体であるSFTSウイルスが維持されているとされている.マダニはヒトを含む各種動物の血液を吸うことにより各ステージ(幼虫,若虫,成虫)を経て成長するが,その吸血時にヒトや動物にSFTSウイルスが伝播される.動物に伝播されたSFTSウイルスは,新たなマダニによる吸血を介して,あるいは動物間での接触感染により,自然界の中で感染を拡大している.本稿では,SFTSウイルスの維持と感染拡大に関与している,自然界における伝播様式をについて紹介する.
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