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特集 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)研究における最新知見――感染経路,病態,予防,治療
SFTS重症化と自然免疫応答
The role of innate immune responses in the pathogenesis of SFTS
山田 辰太郎
1
,
藤田 尚志
2
Shintaro YAMADA
1
,
Takashi FUJITA
2
1University Hospital Bonn, Institute of Cardiovascular Immunology
2京都大学医生物学研究所情報制御学分野
キーワード:
自然免疫
,
Ⅰ型インターフェロン
,
サイトカインストーム
,
NSs(non-structural)タンパク質
Keyword:
自然免疫
,
Ⅰ型インターフェロン
,
サイトカインストーム
,
NSs(non-structural)タンパク質
pp.148-151
発行日 2023年1月14日
Published Date 2023/1/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28402148
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近年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって,われわれの持つ免疫システムとウイルスの病原性との関係性について改めて注目されつつある.ヒトには大きく分けて自然免疫系と獲得免疫系の2つの免疫システムが備わっている.特に自然免疫系は,ウイルス感染初期に迅速に働く防御機構として重要な免疫システムである.それら免疫システムをコントロールする中心的な存在としてサイトカインとよばれる分泌性タンパク質がある.重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の報告以降,その原因ウイルスであるSFTSウイルスの病原性について多くの研究が行われている.そのなかで,免疫システムによる炎症性サイトカインの過剰産生(サイトカインストーム)がSFTSの重症化に関与していることが示唆されている.本稿では,SFTSウイルス感染時におけるサイトカインの産生メカニズムとSFTSウイルスの非構造タンパク質であるNSs(non-structural)の病原性への関与について概説する.
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