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特集 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)研究における最新知見――感染経路,病態,予防,治療
ダニ媒介性ウイルス感染症とSFTS
Tick-borne virus infections and SFTS
松野 啓太
1
Keita MATSUNO
1
1北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所危機分析・対応部門,同ワンヘルスリサーチセンター
キーワード:
ダニ媒介性ウイルス
,
ブニヤウイルス
,
網羅的ウイルス検出
Keyword:
ダニ媒介性ウイルス
,
ブニヤウイルス
,
網羅的ウイルス検出
pp.143-147
発行日 2023年1月14日
Published Date 2023/1/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28402143
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日本で発生しているダニ媒介性ウイルス感染症には,ダニ媒介脳炎,重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に加え,近年発見されたエゾウイルス感染症がある.SFTSウイルス(SFTSV)とエゾウイルス(YEZV)は同じブニヤウイルス目に分類されるウイルスである.ブニヤウイルス目のダニ媒介性病原ウイルスとしてはクリミア・コンゴ出血熱ウイルスが有名であるが,他にも複数のブニヤウイルスがダニ媒介性ウイルス感染症の原因として報告されている.さらに近年の解析技術の発達によって,マダニ中にはブニヤウイルスを含む多種多様なウイルスが存在していることが判明している.また,日本国内のマダニからも新種のウイルスが発見されている.これらのウイルスの大部分はヒトや動物に対する病原性が未知であるため,すでに感染症の原因となっている可能性も考慮しつつ,動向を注視していく必要がある.
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