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第5土曜特集 循環器病学の未来──基本計画から考える循環器病学のグランドデザイン
慢性炎症・多臓器連関・メカニカルストレスから捉える循環器疾患
肺動脈性肺高血圧症における慢性炎症の起源はどこか
The origin of chronic inflammation in pulmonary arterial hypertension
中岡 良和
1
Yoshikazu NAKAOKA
1
1国立循環器病研究センター研究所血管生理学部
キーワード:
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
,
炎症
,
インターロイキン6(IL-6)
,
レグネース1
,
芳香族炭化水素受容体(AHR)
Keyword:
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
,
炎症
,
インターロイキン6(IL-6)
,
レグネース1
,
芳香族炭化水素受容体(AHR)
pp.1257-1264
発行日 2022年12月31日
Published Date 2022/12/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283141257
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肺動脈性肺高血圧症(PAH)は,肺動脈に狭窄・閉塞などをきたして平均肺動脈圧(mPAP)が25mmHg以上となる肺動脈圧上昇を呈する疾患で,肺高血圧症(PH)の最も典型的な臨床像を示す疾患群である.PAHは遺伝性素因と外的刺激のクロストークにより発症すると考えられている.PAH発症において遺伝性素因は重要ではあるものの,その疾患浸透率は約20%とされ,PAH発症には環境要因としての炎症,感染,薬物・毒物曝露などの外的刺激が重要と考えられる(図1)1).しかし,外的刺激によるPAH発症機構の詳細は十分解明されていない.筆者らはこれまで炎症に焦点を当てて,PAH発症機構に関する研究を進めてきた.本稿では,PAH病態における慢性炎症の役割とその起源を中心に述べる.
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