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第1土曜特集 肺高血圧症のすべて――病態研究と治療法の最前線
総論
2021~2022年における肺高血圧症の臨床
Trends in clinical medicine regarding pulmonary hypertension in 2021~2022
巽 浩一郎
1
Koichiro TATSUMI
1
1千葉大学真菌医学研究センター呼吸器生体制御解析プロジェクト
キーワード:
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
,
リスク層別化
,
初期併用療法
,
間質性肺炎(IP)
,
BMPRⅡ遺伝子異常
Keyword:
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
,
リスク層別化
,
初期併用療法
,
間質性肺炎(IP)
,
BMPRⅡ遺伝子異常
pp.328-335
発行日 2023年2月4日
Published Date 2023/2/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28405328
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肺高血圧症(PH)の治療標的として,3つの古典的経路であるエンドセリン1(ET-1),プロスタサイクリン(PGI2),一酸化窒素(NO)の系が確立されている.残された課題は,症候群であるPHのどのphenotypeに,どのような治療を施行することが予後改善につながるかである.高リスク群に初期3剤併用療法の手厚い治療を行うと,中リスク群に初期2剤併用療法を行うよりも予後がよい可能性が指摘されている.特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)+lung phenotype,3群PH〔COPD(慢性閉塞性肺疾患),間質性肺炎(IP)によるPH)〕に対する治療は残された課題である.IPを伴うPHには肺血管拡張吸入療法の有用性が示唆されている.BMPRⅡ-Smad1/5/8系の抗増殖系が正常に作用していないBMPRⅡ遺伝子異常のあるPHに対して,細胞増殖シグナルであるActRⅡA-Smad2/3系の抑制を狙うソタテルセプトによる治験が行われている.
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