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第1土曜特集 エピゲノム編集の進歩と医療応用への道
網膜色素変性の新規治療法としてのエピゲノム編集の可能性
The potential of epigenome editing as a novel treatment for retinitis pigmentosa
藤田 幸輔
1
Kosuke FUJITA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学・感覚器障害制御学
キーワード:
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
網膜
,
視細胞
Keyword:
遺伝子治療
,
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
網膜
,
視細胞
pp.432-437
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295050432
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網膜色素変性は,わが国での失明原因第2位の有効な治療法がない遺伝性疾患であり,その治療開発が世界的にも注目されている.そして最近,重症な網膜色素変性の類縁疾患であるレーバー先天盲に対するアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いたin vivo遺伝子治療薬が,わが国でも上市された.しかし,このような病因遺伝子の正常コピーを病的網膜細胞に補塡する遺伝子治療(遺伝子補充療法)は,治療可能な遺伝子の大きさに制約があり,日本人網膜色素変性患者では最大数%にしか応用できないため,ゲノム編集やエピゲノム編集のような遺伝子の種類や大きさに左右されない遺伝子治療の期待が高まっている.本稿では,網膜色素変性に対する遺伝子治療開発の現状と課題について紹介するとともに,エピゲノム編集治療の開発の展望ついても考察する.

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