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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
新生児期発症のミトコンドリア病
Neonatal onset mitochondrial disease
村山 圭
1
Kei MURAYAMA
1
1千葉県こども病院遺伝診療センター,同代謝科
キーワード:
ミトコンドリア病
,
新生児期発症
,
多系統ミトコンドリア病
,
核遺伝子
,
ATAD3遺伝子
Keyword:
ミトコンドリア病
,
新生児期発症
,
多系統ミトコンドリア病
,
核遺伝子
,
ATAD3遺伝子
pp.391-398
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205391
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新生児ミトコンドリア病は,生後28日以内に発症するミトコンドリア病である.出生後著明な高乳酸血症を伴い,呼吸不全,心不全,腎不全など多臓器症状を呈することが多い.これを “多系統ミトコンドリア病(MsMD)” とよび,これにリー脳症,心筋症,肝症を加えた4つが新生児ミトコンドリア病の主な病型となる.わが国の報告では全体の3/4が生後2日以内に新生児仮死,呼吸障害などで発症しており,生後3日以降では体重増加不良が多くみられた.原因遺伝子の8割以上は核遺伝子由来である.遺伝子検査は全エクソーム解析,マルチオミクス解析などを組み合わせることにより,診断率を上げている.その際,国際連携も重要なパイプラインとなる.ATAD3遺伝子は,クラスター欠失により小脳異常などの神経症状が,de novo重複によって心筋症が出現する.現在,わが国において治療法開発が盛んであるが,治療介入の余地のない重篤な遺伝子型の場合,次子に対して出生前診断を行われることもある.
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