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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
新生児集中治療における精緻・迅速なゲノム診断
Precise and rapid genomic diagnosis in neonatal intensive care
武内 俊樹
1
Toshiki TAKENOUCHI
1
1慶應義塾大学医学部小児科学教室
キーワード:
ゲノム診断
,
新生児集中治療室
,
重症新生児・乳児
,
遠隔連携遺伝カウンセリング
,
全ゲノム解析
Keyword:
ゲノム診断
,
新生児集中治療室
,
重症新生児・乳児
,
遠隔連携遺伝カウンセリング
,
全ゲノム解析
pp.385-390
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205385
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新生児集中治療室に入室する重症新生児・乳児の約1割が遺伝的背景を持つとされる.これらの患者に対して,迅速なゲノム診断を行い,診断結果を診療にいかす取り組みが世界各国で進んでいる.わが国でも,重症新生児・乳児に対して全ゲノム解析研究が行われ,約半数で分子遺伝学的診断が確定し,その半数で診療方針に影響があった.2021年に改定された倫理指針に基づき,研究協力機関として迅速に研究参加でき,遠隔カンファレンスシステムを活用することによって,患者家族に研究内容や結果を説明する遺伝カウンセリングが提供される仕組み作りがはじまっている.迅速な網羅的遺伝子解析はその診断率および非侵襲性から,今後,新生児・小児の急性期医療や集中治療において不可欠な診断技術になると考えられる.わが国のどこで生まれた重症新生児・小児であっても,必要な場合に迅速なゲノム診断と適切な遺伝カウンセリングが受けられる体制の構築が求められている.
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