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特集 薬物性肝障害の最新トピック
薬物性肝障害による急性肝不全とACLF
Acute liver failure and ACLF caused by drug-induced liver injuries
持田 智
1
Satoshi MOCHIDA
1
1埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
キーワード:
急性肝不全
,
acute-on-chronic liver failure(ACLF)
,
B型肝炎ウイルス再活性化
,
分子標的薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
急性肝不全
,
acute-on-chronic liver failure(ACLF)
,
B型肝炎ウイルス再活性化
,
分子標的薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.1317-1321
発行日 2022年3月26日
Published Date 2022/3/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280131317
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厚生労働省研究班の全国調査には,2010~2019年に発症した急性肝不全,遅発性肝不全(LOHF)が計2,638例登録されているが,うち薬物性は410例(15.5%)であり,特殊型としてB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化例も加えると計496例(18.8%)であった.わが国における急性肝不全の診断基準が2011年に発表され,劇症肝炎から除外されていた中毒性症例が集計に加わり,分子標的薬による代謝性特殊体質の症例,免疫チェックポイント阻害薬による特殊型の症例が増加しており,急性肝不全,LOHFにおける薬物性症例の重要性が増している.また,同研究班はわが国におけるacute-on-chronic liver failure(ACLF)の診断基準(案)を2018年に発表し,これに準拠する症例の全国調査を実施している.2017~2019年に発症したACLFとその関連病態の症例が計503例登録されたが,急性増悪要因が薬物性の症例は17例(1.7%)にすぎないが,うち7例(41.2%)は分子標的薬による症例であった.今後,ACLFでも薬物性症例が増加する可能性がある.
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