特集 黄疸を極める
3.肝細胞性黄疸(1)急性肝炎と黄疸
柿坂 啓介
1
,
遠藤 啓
1
,
吉田 雄一
1
,
宮坂 昭生
1
,
黒田 英克
1
,
松本 主之
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科分野
キーワード:
急性肝不全
,
肝性脳症
,
血清総ビリルビン
Keyword:
急性肝不全
,
肝性脳症
,
血清総ビリルビン
pp.259-264
発行日 2023年2月20日
Published Date 2023/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002535
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急性肝炎,急性肝不全では時として血清ビリルビン値が上昇し,黄疸を呈する.ビリルビンはヘムから合成される非抱合型ビリルビン,さらにグルクロン酸抱合を受けた抱合型ビリルビンに大別される.急性肝炎では当初,抱合型ビリルビン優位の高ビリルビン血症が出現する.急性肝炎,急性肝不全では病型が重症になるほど血清総ビリルビンが高く,重症例では初診時に血清総ビリルビンが高値を示す傾向にある.また急性肝炎の典型例では,肝細胞傷害を反映したトランスアミナーゼ上昇に引き続きビリルビンが上昇する.急性肝炎における血清ビリルビン上昇の機序は複雑であり,血清総ビリルビン値と臨床病型に一定の関係があることに留意すべきである.
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