Japanese
English
特集 薬物性肝障害の最新トピック
免疫チェックポイント阻害薬による肝障害
Liver injury caused by immune checkpoint inhibitors
大平 弘正
1
,
藤田 将史
1
,
阿部 和道
1
Hiromasa OHIRA
1
,
Masashi FUJITA
1
,
Kazumichi ABE
1
1福島県立医科大学消化器内科学講座
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
自己免疫性肝炎(AIH)
,
B型肝炎ウイルス(HBV)再活性化
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
免疫関連有害事象(irAE)
,
自己免疫性肝炎(AIH)
,
B型肝炎ウイルス(HBV)再活性化
pp.1313-1316
発行日 2022年3月26日
Published Date 2022/3/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280131313
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
近年,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の使用が増加してきたことで,免疫関連有害事象(irAE)の管理が重要となっている.ICI治療中に肝障害に遭遇した際には,irAE肝障害に加えて併用薬による薬物性肝障害,自己免疫性肝疾患,腫瘍自体による肝障害など,さまざまな病態を鑑別する必要がある.これら肝疾患との鑑別には肝生検所見と浸潤リンパ球の免疫組織染色も参考となる.一般的にirAE肝障害は無症候性であるが,発熱,発疹,まれに重症となり,黄疸を伴うことがある.一方,他のirAEである大腸炎,内分泌障害,肺炎など,他臓器に由来する症状を伴うこともある.肝障害の多くは肝細胞障害であり,まれに胆汁うっ滞も経験される.肝障害の頻度はICI単独使用よりも併用のほうが高いとされる.irAE肝障害の治療方針はCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)Gradeに準じて対処することが推奨されている.なお,ICIの治療開始に際してはB型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化予防のスクリーニングも重要となる.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.