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第1土曜特集 結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断,治療,感染対策,発病予防
結核
潜在性結核感染症の治療
Treatment of latent tuberculosis infection
松本 智成
1
Tomoshige MATSUMOTO
1
1大阪府結核予防会大阪複十字病院副院長
キーワード:
潜在性結核感染症(LTBI)
,
NAT-2
,
薬剤性肝障害
Keyword:
潜在性結核感染症(LTBI)
,
NAT-2
,
薬剤性肝障害
pp.647-656
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006647
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潜在性結核感染症(LTBI)患者を積極的に治療することによって発病を防ぐことにより新たな感染源になることを防ぎ,結核連鎖が起こらないようにすることを目的として,積極的なLTBI治療が推奨されている.現在,日本の結核医療の基準では,イソニアジド(INH)6~9カ月,INH+リファンピシン(RFP)3~4カ月,INHが使用できない場合,またはINHの副作用が予想される場合にはRFP 4カ月療法が規定されている.LTBI治療は無症状の患者に行う治療であり,薬の副作用による有害事象をだすべきではない治療法である.したがって,その開始のメリットおよびデメリットを勘案するとともに,すくなくとも月1回程度の適切な間隔の定期的な採血にて副作用チェックを行う.LTBI患者を治療する場合は発生届や公費負担申請書である37条の2の書類を記載し,保健所に提出する.また,胸部X線やCTで明らかな活動性結核を示唆する病変がなくても初回3連痰を含む初回ならびに治療終了時の喀痰抗酸菌塗抹培養検査を行うことが望ましいと考える.
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