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第1土曜特集 結核と非結核性抗酸菌症Up to Date――診断,治療,感染対策,発病予防
結核
結核薬の副作用
Side effects on anti-tuberculosis treatment
佐々木 結花
1
Yuka SASAKI
1
1国立病院機構東京病院呼吸器センター呼吸器内科・臨床研究部
キーワード:
結核
,
抗結核治療
,
副作用
Keyword:
結核
,
抗結核治療
,
副作用
pp.657-662
発行日 2022年2月5日
Published Date 2022/2/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28006657
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抗結核薬の副作用は他の一般抗菌薬に比し高率に生じる印象があるが,多剤併用であることもその原因となっている.副作用で中止した薬剤であっても,場合によっては再投与を行うという特殊な対応は抗結核薬独特といえる.標準治療に用いる抗結核薬の主たる副作用は,イソニコチン酸ヒドラジド(INH)は肝障害,末梢神経障害,リファンピシン(RFP)は肝障害,腎障害,骨髄抑制,ピラジナミド(PZA)は肝障害,高尿酸血症,エタンブトール(EB)は中毒性視神経障害,末梢神経障害,薬疹,ストレプトマイシン(SM)は第8脳神経障害,腎障害である.RFPはリファマイシン系薬剤のリファブチン(RBT)に置き換え可能であるが,同様の副作用およびぶどう膜炎が報告されている.薬剤アレルギーはすべての薬剤に生じる可能性がある.副作用発現時には原因薬剤の特定が困難な場合があり,また,再投与に苦慮する場合には結核治療に経験のある医師へのコンサルトを行うべきである.
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