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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
各論
【Non-viral vector】
プラスミドDNAベクターワクチン設計のサイエンス
Science of plasmid DNA vector technology
中神 啓徳
1
Hironori NAKAGAMI
1
1大阪大学大学院医学系研究科健康発達医学寄附講座
キーワード:
DNAワクチン
,
細胞性免疫
,
エレクトロポレーション
,
投与デバイス
Keyword:
DNAワクチン
,
細胞性免疫
,
エレクトロポレーション
,
投与デバイス
pp.984-987
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910984
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プラスミドDNAワクチンは生体内に取り込まれた後に一過性に抗原であるタンパクを発現させ,同時に核酸による自然免疫活性化を促すことで免疫応答を惹起する.一方,生体内ではプラスミドDNAは速やかに分解されることから,一般に生体内のゲノムに取り込まれるリスクが低く,遺伝子治療薬としての安全性は高いとされている.DNAワクチンは一般的に細胞性免疫を強く活性化することが知られているが,遺伝子発現効率を上昇させて効率よく抗体産生と細胞性免疫を誘導するために,基礎研究での検討で抗原タンパクの発現,自然免疫の活性化,投与経路・デバイスの活用などのさまざまな取り組みがなされてきた.ヒト臨床治験においても,生体での細胞内への導入効率を増加させ抗原提示を高める目的で,DDS(drug delivery system)や投与デバイス(エレクトロポレーションや無針注射器など)を併用する治験が実施されており,皮内投与デバイスを用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するDNAワクチンがインドで緊急承認されるに至っている.
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