検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
細菌の遺伝因子—プラスミド
伊予部 志津子
1
1群馬大学微生物学
pp.316-320
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205432
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細菌においては,その個体維持,分裂増殖などの生命活動に必須の情報はすべて,その染色体に保持されている.われわれは,細菌の染色体をほぼ109D(ドルトン,Dalton)の環状二本鎖DNAとして分離することができるが,このほかにしばしば,より小さな環状二本鎖DNA(106〜108D)を分離することがある.小さなDNAは細菌細胞内で自己複製する能力をもち,細胞分裂により失われることもなく,子孫細胞に受け継がれていく.これらのDNA分子は,細胞質性遺伝因子,プラスミドと呼ばれるが,そこに含まれる遺伝情報が細菌に大きな影響を及ぼすことがある.プラスミドとはどんな物か,その働きは?以下,ここに紹介する.
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