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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
各論
【Phage vector】
細菌に感染するバクテリオファージを担体とするファージワクチン設計
Phage-based vaccine design
橋口 周平
1
Shuhei HASHIGUCHI
1
1鹿児島大学大学院理工学研究科工学専攻化学生命工学プログラム
キーワード:
バクテリオファージ
,
ファージディスプレイ
,
ファージライブラリ
,
ペプチドワクチン
,
DNAワクチン
Keyword:
バクテリオファージ
,
ファージディスプレイ
,
ファージライブラリ
,
ペプチドワクチン
,
DNAワクチン
pp.1047-1052
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279101047
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ファージ(バクテリオファージ)は細菌に感染して増殖するウイルスである.ファージを担体としたワクチン開発は古くから研究されているが,ファージは哺乳動物には感染することがなくヒトへの投与実験において安全であることが示されており,アジュバントを用いることなく体液性免疫および細胞性免疫の両者を誘導できる,非侵襲的な投与も可能,物理化学的に過酷な条件でも安定であるなどの利点により,ファージを担体としたワクチン開発が注目されつつある.ファージワクチンには,①ワクチン抗原をファージ表面に提示させたファージ粒子をワクチンとして利用する試みと,②ファージをDNAワクチンの運搬体として利用する試みがある.本稿では,ファージディスプレイ法を利用した繊維状ファージワクチン研究の話題を中心に,この領域の概要を述べる.
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