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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
各論
【Viral vector】
ヘルペスウイルスベクターワクチン設計のサイエンス
Science of vaccine design utilizing the herpesvirus vector
小栁 直人
1
,
川口 寧
1
Naoto KOYANAGI
1
,
Yasushi KAWAGUCHI
1
1東京大学医科学研究所感染・免疫部門ウイルス病態制御分野
キーワード:
単純ヘルペスウイルス(HSV)
,
アンプリコン
,
非増殖型HSV
,
弱毒型HSV
Keyword:
単純ヘルペスウイルス(HSV)
,
アンプリコン
,
非増殖型HSV
,
弱毒型HSV
pp.1005-1009
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279101005
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ヘルペスウイルスはさまざまな動物に種固有のウイルスがあり,それぞれ宿主と共存,共進化してきたと考えられる.ヘルペスウイルスのプロトタイプである単純ヘルペスウイルス(HSV)は,ワクチンを含む遺伝子治療用のウイルスベクターとして魅力的なツールである.HSVは宿主域が広く,さまざまな細胞に感染し増殖する.HSVゲノムには約30 kbp,HSVアンプリコンには約100 kbpの大きな遺伝子の挿入が可能である.HSVは神経指向性が高く,神経細胞内にエピゾームとして存在し,継続的な遺伝子発現が可能である.また,HSVは本来頻繁に再発する性質を有していることから,HSVベクターは頻回投与が可能である.今日のHSVゲノムの遺伝子改変技術の発展により,安全性を高めることや遺伝子発現を自在に制御することが可能であることから,HSVをウイルスベクターとして利用するための開発が精力的に行われている.本稿では,HSVの特性およびウイルスベクターとしての設計戦略,有用性について概説する.
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