特集 重症感染症2
Part I.細菌性疾患
【コラム】染色体とプラスミド
後藤 崇夫
1
Takao GOTO
1
1横須賀市立うわまち病院 集中治療部
pp.48-49
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200597
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はじめに
β-ラクタマーゼとは,β-ラクタム環をもつ抗菌薬を加水分解する酵素の総称である。現在,β-ラクタマーゼの数は1500種類以上にものぼり1),その耐性機序としては,大きく染色体とプラスミドとに分類される。染色体においては,細菌に元々存在する遺伝子がβ-ラクタム系抗菌薬に曝露されることによってβ-ラクタマーゼを大量に産生し,その結果,臨床的に抗菌薬に耐性を示す。すなわち,肺炎桿菌がペニシリナーゼの,緑膿菌がセファロスポリナーゼ(AmpC)の産生に関与する遺伝子をそれぞれもち,生来ペニシリンに耐性を示すのがよい例である2)。
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