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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
認知症
認知症のゲノム解析
Genomic analysis for dementia
重水 大智
1
,
新飯田 俊平
2
Daichi SHIGEMIZU
1
,
Shumpei NIIDA
2
1国立長寿医療研究センターメディカルゲノムセンターバイオインフォマティクス研究部
2国立長寿医療研究センター研究所
キーワード:
認知症
,
ゲノム解析
,
疾患関連変異
Keyword:
認知症
,
ゲノム解析
,
疾患関連変異
pp.402-406
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905402
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認知症高齢者は年々増加傾向にあり,2025年にわが国の認知症高齢者数は730万人を超える.これは65歳以上の高齢者5人に1人が認知症を発症する計算になる.認知症で最も患者数が多いのはアルツハイマー病(AD)であり,認知症の約半数を占める.ADは65歳未満発症の早発性AD(EOAD)と65歳以上発症の遅発性AD(LOAD)に大別される.全体の約5%を占めるEOADは,多くがAPP,PSEN1,PSEN2の3遺伝子に変異が認められる.一方で,大部分を占めるLOADは遺伝要因と環境要因が複雑に関わっている.遺伝要因が60~80%程度関与しているといわれ,最も強いリスク因子はAPOEである.しかしAPOEは全体の約27%程度と,その大部分がいまだ不明である.そこで本稿では,認知症についてゲノム解析の視点から最新の知見と今後の展望を述べる.
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