Japanese
English
特集 スキルス胃癌のすべて
I. 基礎
2.スキルス胃癌のゲノム解析と発生の分子機構
Genomic analysis of diffuse-type gastric cancer and its molecular mechanism
加藤 洋人
1
,
石川 俊平
2
H. Katoh
1
,
S. Ishikawa
2
1東京医科歯科大学難治疾患研究所ゲノム病理学分野
2東京大学大学院分子予防医学分野
キーワード:
胃癌
,
ゲノム解析
,
遺伝子変異
,
腫瘍免疫
Keyword:
胃癌
,
ゲノム解析
,
遺伝子変異
,
腫瘍免疫
pp.5-11
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_5
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胃癌に対する網羅的なゲノミクス解析がいくつかのグループによって報告されており,ゲノミクスからみた胃癌のサブグループが明らかになってきた.スキルス胃癌/びまん型胃癌では,従来から知られるE-cadherinの変異に加えてRHOA遺伝子に特徴的なゲノム異常の存在が明らかになり,若年発症や腹膜播種のめだつ「いわゆるスキルス胃癌」も含めて一つの生物学的サブグループととらえられることがわかってきた.最近では,胃癌オルガノイドを用いた研究によって,そのようなゲノム異常との関連を含めてスキルス胃癌の発生過程における新しい分子機構がみえるようになってきたので紹介したい.またゲノム解析を用いたスキルス胃癌における腫瘍免疫環境の研究についても紹介し,癌免疫療法との関連性について論じたい.
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