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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
認知症
認知症の人の介護者支援の展望
Future prospects for psycho-educational support for caregivers of people with dementia
清家 理
1
Aya SEIKE
1
1京都大学こころの未来研究センター上廣寄付研究部門医療・保健・福祉領域,国立長寿医療研究センターもの忘れセンター
キーワード:
介護者支援
,
家族教室
,
エビデンス
,
psycho educational intervention(PEI)
,
集団型・多要素支援(group based multi-component intervention)
Keyword:
介護者支援
,
家族教室
,
エビデンス
,
psycho educational intervention(PEI)
,
集団型・多要素支援(group based multi-component intervention)
pp.407-414
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905407
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介護者支援は国内外の認知症政策で重要な位置を占めている.その目的は,介護者の心理的な負担軽減のみならず,認知症に対する正しい理解と適切な対応方法の取得による,認知症の人の行動・心理症状(BPSD)の発症および重症化予防まで包含する.これらの認知症に関する理解や対応方法を習得する場として家族教室があり,集団型介護者支援と言い換えられる.集団型でかつ多要素で構成された介護者支援プログラムの効果検証は,大半が欧米圏の研究による.筆者らは,介護者を対象とした集団型・多要素支援プログラム(医学・ケア・心理学・社会福祉領域,6コンテンツ,90分/回,3カ月完結型)を試作し,無作為化比較試験で効果を検証した.その結果,3カ月間で介護者の抑うつ,介護満足感,認知症の人への親近感,自己成長感,フォーマルサポートの活用が有意に改善した.そのうち抑うつ,介護満足感,認知症の人への親近感は6カ月間有意に改善し,半年ごとの支援の必要性が示された.このような支援にはエビデンスの集積が必要である.それにより活動資金の獲得,質が保たれた標準形のケアの提供を可能にし,持続的な支援活動の遂行が可能になると考えられる.
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