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第1土曜特集 全ゲノム解析に基づく難病のゲノム医学
各論
希少疾患の網羅的ゲノム解析
-――全エクソーム解析/全ゲノム解析
Whole exome/genome sequencing analysis in rare diseases
要 匡
1
Tadashi KANAME
1
1国立成育医療研究センター研究所ゲノム医療研究部
キーワード:
希少疾患
,
ゲノム解析
,
未診断疾患イニシアチブ(IRUD)
Keyword:
希少疾患
,
ゲノム解析
,
未診断疾患イニシアチブ(IRUD)
pp.40-46
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2850140
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診断が困難な希少疾患は網羅的ゲノム解析が有効であり,海外でもさまざまな大型プロジェクトが進行している.わが国では,2015年より全エクソームシークエンス(WES)解析を中心とした未診断疾患イニシアチブ(IRUD)が開始され,登録された診断困難患者の約4割で診断が確定したが,残り6割は未解決であった.2020年より「全ゲノム解析等実行計画」がスタートし,WES解析後の未解決症例に対して短鎖型次世代シークエンサー(NGS)による全ゲノムシークエンス(WGS)解析を行った結果,WES解析では見出せないバリアントの検出などにより約9%でさらなる診断が確定した.長鎖型NGSによるWGS解析は,現時点でコストの課題を除けばその有用性,発展性が期待できる.今後,WGS解析研究とIRUDなどのWES解析を中心とした未診断疾患研究,および臨床ゲノム検査(クリニカルシークエンス)の3つが適切に連携することで,効率のよい希少疾患の原因解明や診断(難病ゲノム医療)が進むと考えられる.
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