Japanese
English
特集 不妊治療の現状と課題
子宮内膜菲薄化による難治性不妊に対するPRP(多血小板血漿)療法
Intrauterine administration of platelet-rich plasma improves embryo implantation by increasing the endometrial thickness in women with repeated implantation failure
堤 治
1,2
,
野間 桃
1
,
久須美 真紀
1
Osamu TSUTSUMI
1,2
,
Momo NOMA
1
,
Maki KUSUMI
1
1医療法人財団順和会山王病院女性医療センターリプロダクション・婦人科内視鏡治療部門
2国際医療福祉大学大学院生殖補助医療胚培養分野
キーワード:
多血小板血漿(PRP)
,
菲薄化子宮内膜
,
再生医療
,
難治性不妊
,
胚移植
Keyword:
多血小板血漿(PRP)
,
菲薄化子宮内膜
,
再生医療
,
難治性不妊
,
胚移植
pp.688-693
発行日 2021年8月21日
Published Date 2021/8/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27807688
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子宮内膜の最も重要な機能は着床の場を提供することであるが,その菲薄化は機能障害をきたし,難治性不妊の原因となる.多血小板血漿(PRP)は再生医療のひとつで,近年,菲薄化子宮内膜に対して使用経験が報告されつつある.筆者らは,再生医療等安全性確保法を順守しつつ,反復着床不全を繰り返す菲薄子宮内膜症例(7mm以下)に投与し,子宮内膜の有意な増殖肥厚と着床率改善を確認した.厚生局の認可のもと,当院と同一のプロトコールで国内26施設が実施し,良好な成績を上げている.菲薄化子宮内膜症例の解析から流産手術や子宮鏡手術がリスク因子として抽出され,予防の重要性が認識された.作用機序についてはPRPの増殖因子や抗炎症作用があげられるが,未解明な部分が多い.子宮内膜菲薄を伴わない反復着床不全例においてもPRPは有効で,難治性不妊症の治療手段のひとつとしてPRPは有力と考える.
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