特集 内膜を極めるⅠ―内膜の機能と着床をめぐる最近の話題―
8.多血小板血漿(PRP)の菲薄子宮内膜増殖効果と着床能改善
堤 治
1,2
,
鈴木 聡史
1
,
野間 桃
1
,
久須美 真紀
1,2
O. Tsutsumi
1,2
,
S. Suzuki
1
,
M. Noma
1
,
M. Kusumi
1,2
1山王病院リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター
2国際医療福祉大学大学院生殖補助医療胚培養分野
pp.1075-1080
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001421
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子宮内膜の最も重要な機能は着床の場を提供することであるが,その菲薄化は機能障害をきたし難治性不妊の原因となる。われわれは臨床研究として,再生医療の1つである多血小板血漿(PRP)を,反復着床不全を繰り返す菲薄内膜症例(7mm以下)に投与し,子宮内膜の有意な増殖肥厚と着床率改善を確認した。現在実地臨床を行い,成果を挙げている。臨床研究,実地臨床を通じて,内膜菲薄化の原因として子宮に対する手術が多くを占め,手術に際し子宮内膜機能温存に留意する必要性を認めた。なお実施にあたっては,再生医療等安全性確保法を順守することが必須で,産婦人科PRP研究会を通じて安全な普及を図っている。
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