臨床経験
子宮内膜菲薄化による着床不全に対するPRP(多血小板血漿)療法の実際
鈴木 聡史
1
,
久須 美真紀
1,2
,
堤 治
1,2
S. Suzuki
1
,
M. Kusumi
1,2
,
O. Tsutsumi
1,2
1山王病院リプダクション・婦人科内視鏡治療センター
2国際医療福祉大学大学院生殖補助医療胚培養分野
pp.177-182
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002867
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多血小板血漿(PRP)は再生医療の1つで近年菲薄化子宮内膜に対して使用経験が報告されつつある。われわれは再生医療等安全性確保法を順守しつつ,反復着床不全を繰り返す菲薄内膜症例(7m以下)に投与し,子宮内膜の有意な増殖肥厚と着床率改善を確認した。厚生局の認可のもと,当院と同一のプロトコールで国内26施設が実施し良好な成績を上げている。菲薄化内膜症例の解析から流産手術や子宮鏡手術がリスク因子として抽出され,予防の重要性が認識された。作用機序についてはPRPの増殖因子や抗炎症作用が挙げられるが未解明な部分が多い。PRP投与後内膜肥厚がみられなかった症例でも妊娠率は改善しており,難治性不妊症の治療手段の1つとしてPRPは有力と考える。
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