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第1土曜特集 CAR-T細胞療法の現在と将来展望
治療成績
多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法
-――現状と将来展望
CAR-T cell therapy for multiple myeloma
――Current status and future prospects
石田 禎夫
1
Tadao ISHIDA
1
1日本赤十字社医療センター血液内科
キーワード:
多発性骨髄腫(MM)
,
CAR-T細胞
,
BCMA
Keyword:
多発性骨髄腫(MM)
,
CAR-T細胞
,
BCMA
pp.901-906
発行日 2021年6月5日
Published Date 2021/6/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27710901
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近年の多発性骨髄腫(MM)に対する新薬の開発はめざましく,現在10種類の新規薬剤が使用可能となった.現在,さらに多くの新規薬剤が開発中であるが,治療効果の点から最も期待されている治療がCAR-T細胞療法である.わが国でも治験が行われ,治療効果が報告されているものはBCMAを標的としたidecabtagene vicleucelとciltacabtagene autoleucelである.これらの治療はプロテアソーム阻害薬(PI),免疫調節薬(IMiDs),モノクローナル抗体(MoAb)すべてに不応となった患者に対しても高い奏効率と深い奏効が得られている.また,ハイリスクや髄外腫瘤にも有効と報告されている.しかし残念ながら,無増悪生存期間のグラフはプラトーにはならず,多くの患者が再発しているのが現状である.今後,早期のCAR-T細胞の投与,CAR-T細胞療法後の追加治療,耐性機序の解明と対応策が確立され,さらに有効な治療へと発展することを期待する.
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