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特集 CAR-T細胞療法の最前線――現状と残された課題
多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法の現状と課題
Current status and challenges of CAR-T cell therapy for multiple myeloma
石田 禎夫
1
Tadao ISHIDA
1
1日本赤十字社医療センター血液内科
キーワード:
多発性骨髄腫(MM)
,
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法
,
シルタカブタゲン オートルユーセル(cilta-cel)
,
イデカブタゲン ビクルユーセル(ide-cel)
Keyword:
多発性骨髄腫(MM)
,
キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法
,
シルタカブタゲン オートルユーセル(cilta-cel)
,
イデカブタゲン ビクルユーセル(ide-cel)
pp.193-198
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28803193
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多発性骨髄腫(MM)は治療により奏効が得られても再発を繰り返し,triple-class refractoryとなった患者に対して,これまでは有効な治療法がなかった.このような患者に対しB細胞成熟抗原(BCMA)-キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法が有効であることが報告され,わが国でもイデカブタゲン ビクルユーセル(ide-cel)が保険適用になった.CAR-T細胞療法により高い奏効率は得られたが,治療効果継続期間が短いこと,製造枠が限られていること,製造に2カ月前後の期間を要するなど問題点が指摘された.今後,期待されるCAR-T細胞療法として,再発早期の患者や初発患者に対するCAR-T細胞療法,標的抗原の異なるCAR-T細胞療法,患者のリンパ球採取から短期間で投与できるCAR-T細胞療法,off the shelfのCAR-T細胞療法,コストの安いCAR-T細胞療法などがあげられる.今後のCAR-T細胞療法が骨髄腫患者に多くの恩恵をもたらすことを期待したい.
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