Japanese
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特集 CAR-T細胞療法の最前線――現状と残された課題
リンパ腫に対するCAR-T細胞療法の現状と課題
CAR-T cell therapy for lymphoma
――Status quo and challenges
伊豆津 宏二
1
Koji IZUTSU
1
1国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
キーワード:
CD19
,
キメラ抗原受容体(CAR)
,
T細胞
,
CAR-T細胞
,
リンパ腫
Keyword:
CD19
,
キメラ抗原受容体(CAR)
,
T細胞
,
CAR-T細胞
,
リンパ腫
pp.187-192
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28803187
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CD19標的キメラ抗原受容体(CAR)導入T細胞療法(以下,CAR-T細胞療法)は,再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と,濾胞性リンパ腫(FL)に対する治療選択肢として実地診療で用いられるようになった.臨床試験の長期フォローの結果,これまで長期予後が期待できる治療がなかったサードライン,またはそれ以降のDLBCL患者の一部で治癒が得られることが示唆されている.また第Ⅲ相試験の結果から,DLBCLの早期再発例でCAR-T細胞療法が従来の標準治療(多剤併用化学療法,続いて自家移植併用大量化学療法)よりも優れた治療成績を示すことがわかった.CAR-T細胞療法は再発・難治性B細胞リンパ腫の治療を変えつつあるが,高腫瘍量の患者や急速進行性の病変を有する患者ではCAR-T細胞療法の実施が困難であるか,実施したとしても治療成績が不十分である.また,現時点では治療実施施設数や施設ごとの実施件数が十分とはいえない.これらを克服するためのさまざまな工夫の検討が続いている.
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