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第1土曜特集 CAR-T細胞療法の現在と将来展望
総論
CAR-T細胞の将来展望
-――適応症と利便性の拡大,そしてoff-the-shelf化へ
Future perspectives of CAR-T, endeavors for the expansion of clinical application and generation of “off-the-shelf” CAR-T
藤原 弘
1
Hiroshi FUJIWARA
1
1三重大学大学院医学系研究科個別化がん免疫治療学分野
キーワード:
off-the-shelf
,
on-target/off-tumor有害事象
,
固形がん
,
ゲノム編集
Keyword:
off-the-shelf
,
on-target/off-tumor有害事象
,
固形がん
,
ゲノム編集
pp.872-876
発行日 2021年6月5日
Published Date 2021/6/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27710872
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再発難治性B細胞性血液がんに対する患者自家T細胞を利用したCD19 CAR-T細胞の成功を背景に,キメラ型抗原受容体(CAR)-T細胞療法は,近年のがん免疫療法を牽引している.しかし,構造的に細胞表面抗原を認識する抗体に標的がん細胞の認識を依存するCAR-T細胞は,がん抗原とよばれる標的抗原のほとんどが正常組織にもある程度発現する自己抗原のために,とくに固形がんに対するCAR-T細胞では,正常組織に対する重篤なon-target/off-tumor有害事象がほぼ不可避である.加えて,CAR-T細胞特有の免疫関連有害事象であるサイトカイン放出症候群や中枢神経障害への対処も必要とする現実がある.それでも,その治療手段としてのポテンシャルの高さゆえに,臨床的汎用性の高い “off-the-shelf化製剤” を目指す努力が世界中で続けられている.その努力に注目して,CAR-T細胞の将来像を展望する.
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