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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【新規治療法】
遺伝子導入T細胞による養子免疫療法
Adoptive T cell therapy with gene-engineered T cells
安井 潔
1
,
池田 裕明
1
Kiyoshi YASUI
1
,
Hiroaki IKEDA
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科腫瘍医学分野
キーワード:
養子免疫療法
,
CAR-T細胞
,
TCR-T細胞
,
固形がん
,
非自己細胞
Keyword:
養子免疫療法
,
CAR-T細胞
,
TCR-T細胞
,
固形がん
,
非自己細胞
pp.532-537
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105532
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免疫チェックポイント阻害薬に続くきわめて有効ながん免疫療法として,遺伝子導入T細胞による養子免疫療法が大きく注目されている.CD19分子を標的としたキメラ抗原受容体(CAR)遺伝子を導入したT細胞(CAR-T細胞)療法が急性リンパ性白血病(ALL),びまん性大細胞性B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療法として2019年にわが国で承認され,BCMA分子を標的としたCAR-T細胞療法が多発性骨髄腫(MM)の治療法として,2022年にわが国で承認された.T細胞レセプター(TCR)遺伝子導入T細胞(TCR-T細胞)療法もいくつかの固形がんを対象とした臨床試験で有効性を示しつつある.本稿では,これら遺伝子導入T細胞による養子免疫療法を概観し,今後の課題のなかでとくに固形がんを標的とした治療法の開発と非自己細胞を用いた開発について考察する.
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