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特集 CAR-T細胞療法の最前線――現状と残された課題
ゲノム編集iPS細胞を用いたuniversal CAR-T/NK細胞のフロンティア
Frontiers of universal CAR-T/NK cells using genome-edited iPS cells
泉 響介
1
,
石川 晃大
1
,
金子 新
1
Kyosuke IZUMI
1
,
Akihiro ISHIKAWA
1
,
Shin KANEKO
1
1京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門金子研究室
キーワード:
off-the-shelf
,
ゲノム編集
,
HLAホモ接合体
,
iCAR-T細胞
,
iCAR-ILC/NK細胞
Keyword:
off-the-shelf
,
ゲノム編集
,
HLAホモ接合体
,
iCAR-T細胞
,
iCAR-ILC/NK細胞
pp.211-216
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28803211
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キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法は,B細胞性急性リンパ性白血病やB細胞性悪性リンパ腫において成功を収めたことにより,ますます研究開発が進んでいる.一方で,現在の課題として自家移植であるためクオリティーに差が生じること,投与までに時間がかかること,高価であることなどがあげられる.この問題を解決するために筆者らの研究室では,iPS細胞(人工多能性幹細胞)およびゲノム編集技術を利用した “off-the-shelf” 型CAR-T細胞の開発に取り組んでいる.その一例として,ヒト白血球抗原(HLA)をノックアウトした低免疫原性iPS-T細胞を作製し,効果を実証した.また,フィーダーフリーでの分化誘導法の開発,CAR発現iPS細胞由来自然リンパ球/ナチュラルキラー細胞(iCAR-ILC/NK細胞)の開発を達成し,医師主導第Ⅰ相臨床試験を開始した.直近では固形腫瘍への応用を行っており,ゲノム編集iPS-T細胞が固形がんに対しても有効であることをマウスモデルで実証した.世界中で多様な研究が進行中であり,今後,より画期的なuniversal CAR-T/NK細胞の実現が望まれている.
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