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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
原発性免疫不全症候群/原発性免疫異常症
Primary immunodeficiency(PID)/Inborn errors of immunity(IEI)
岡本 圭祐
1
,
今井 耕輔
2
Keisuke OKAMOTO
1
,
Kohsuke IMAI
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科発生発達病態学分野(小児科)
2同茨城県小児・周産期地域医療学講座
キーワード:
原発性免疫不全症候群(PID)
,
原発性免疫異常症(IEI)
,
次世代シークエンサー
,
個別化治療
,
ラパマイシン
Keyword:
原発性免疫不全症候群(PID)
,
原発性免疫異常症(IEI)
,
次世代シークエンサー
,
個別化治療
,
ラパマイシン
pp.817-823
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709817
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原発性免疫不全症候群(PID)とは,先天的に免疫担当細胞や分子に異常をきたす,単一遺伝子異常を伴う疾患の総称である.PIDの歴史は,1952年にBrutonが重症感染症を反復する無ガンマグロブリン血症の8歳男児に,免疫グロブリンを皮下注で補充し治療したことにはじまる.後に,X連鎖無ガンマグロブリン血症の原因遺伝子として,XLAが同定された.このように,さまざまな免疫に関連した疾患,および,それらの原因遺伝子が同定されるようになったため,現在は2年おきにPIDの国際分類が報告されている.次世代シークエンサーの登場による遺伝子解析技術の進歩や分子生物学的解析技術の進歩により,PIDの疾患概念は拡大を続けており,現在は400を超える疾患が知られるようになった.それに伴い,原因遺伝子に関連する免疫シグナルを標的とした個別化治療も検討されるようになってきている.本稿では,これら疾患の原因探索,治療について概説する.
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