特集 産婦人科医が知っておくべき新生児マススクリーニング
各論
7.原発性免疫不全症
今井 耕輔
1
K. Imai
1
1防衛医科大学校小児科学(教授)
pp.703-710
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003016
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
T細胞欠損の重症複合免疫不全症とB細胞欠損症は,重症であり,早期の発見,治療が望まれる。新生児スクリーニング検査は,発症前には診断が困難である治療可能な希少疾患について,出生児全員に検査を行い,有効な治療につなげるものである。TREC,KRECの定量法の発見と実用化により,SCID,BCDのスクリーニングが可能になり,世界各国で取り組まれている。日本でもAMED研究班を中心に導入が進み,全出生児の20%以上が検査を受け,SCID,BCD,SMA患者が発見され,有効な治療につながっている。今後は全国の新生児に公費検査として適用されることと,他疾患への対象拡大が期待される。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.