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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
疾患
気管支喘息
Bronchial asthma
中込 一之
1
Kazuyuki NAKAGOME
1
1埼玉医科大学呼吸器内科/アレルギーセンター
キーワード:
気管支喘息
,
好酸球
,
好中球
,
ウイルス感染
Keyword:
気管支喘息
,
好酸球
,
好中球
,
ウイルス感染
pp.810-815
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709810
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気管支喘息は好酸球性気道炎症,気流制限,気道過敏性亢進,気道リモデリングを特徴とする慢性疾患である.好酸球性気道炎症の持続は,喘息増悪および気道リモデリングに関与する.IL-5は好酸球の活性化に重要な役割を果たすサイトカインであり,抗IL-5療法は喘息増悪を抑制する.近年,気道における活性化好酸球の役割が注目され,崩壊型脱顆粒のひとつであるEETosisという概念が提唱されている.また活性化好酸球から放出される特異顆粒タンパクやDNAを抗原とする自己免疫反応も観察されており,喘息の重症化やeosinophilic granulomatosis with polyangiitis(EGPA)の発症などに関与する可能性がある.重症喘息では好中球性気道炎症も観察され,一部では好中球性炎症と好酸球性炎症が連動する.またウイルス感染は喘息の増悪に関与し,喘息患者はウイルス感染の影響を受けやすい.IgE高値ではウイルス感染の影響を受けやすいことが明らかとなっているが,好酸球高値例もウイルス感染の影響を受けやすい可能性がある.
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