免疫チェックポイント阻害薬に伴う免疫関連有害事象

Immune-related adverse events associated with immune checkpoint inhibitors

　免疫チェックポイント阻害薬（ICI）は，一部の根治手術不能な腫瘍に対する治療において重要な役割を担っている．一方で，本薬は主に免疫系を負に調節する分子の機能を抑制する治療が作用機序となっているため，免疫関連有害事象（irAE）とよばれる自己免疫疾患の出現が問題となっている^1）．irAEはその多様性，従来の疾患と異なる臨床経過や多発性などの特徴から，単科の取り組みでなく科を超えた協力体制のもと，適切に対処することが求められている．本稿ではこのirAEにつき概説するが，実際の対応については最新の国内外ガイドラインや各薬剤の適正使用ガイドなども参照にしていただきたい．