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第1土曜特集 1細胞解析――技術と応用
応用
1細胞解析でがん免疫療法に迫る
Decoding cancer immunotherapy with single-cell analysis
入江 拓磨
1,2
,
西川 博嘉
1,2,3
Takuma IRIE
1,2
,
Hiroyoshi NISHIKAWA
1,2,3
1国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野
2同先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ(TR)分野
3名古屋大学大学院医学系研究科微生物・免疫学講座分子細胞免疫学
キーワード:
腫瘍微小環境(TME)
,
腫瘍浸潤免疫細胞
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
Keyword:
腫瘍微小環境(TME)
,
腫瘍浸潤免疫細胞
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
pp.989-997
発行日 2021年3月6日
Published Date 2021/3/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27610989
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近年の1細胞解析技術の発展やシークエンスコストの低下によって1細胞レベルでのトランスクリプトーム解析が急速に進歩してきている.がん免疫分野においても1細胞解析が注目されている.免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の臨床応用によりがん免疫療法は急速に発展してきているものの,奏効率が限定的であることや免疫関連有害事象などの課題がある.とくに腫瘍微小環境(TME)における免疫細胞の働きは依然として未知の部分も多く,基礎研究により抗腫瘍免疫応答の本態とそれに対する免疫抑制ネットワークを解明することが必要不可欠である.1細胞解析によってTMEの複雑な細胞間ネットワークやがん免疫療法による変化を明らかにし,新規バイオマーカーによるがん患者の層別化や新規がん免疫療法の開発につなげ,将来的にがん免疫プレシジョン医療へと展開することが枢要である.
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