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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【新規がん免疫治療薬の開発】
がん免疫療法のバイオマーカー・コンパニオン診断法の探索
Exploring biomarker and companion diagnostic methods for cancer immunotherapy
小山 正平
1,2,3
,
西川 博嘉
1,2,4
Shohei KOYAMA
1,2,3
,
Hiroyoshi NISHIKAWA
1,2,4
1国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野
2同先端医療開発センター免疫TR分野
3大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学
4名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞免疫学
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
層別化
,
バイオマーカー
,
コンパニオン診断
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
層別化
,
バイオマーカー
,
コンパニオン診断
pp.548-553
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105548
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抗PD-1/PD-L1/CTLA-4抗体に代表される免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は,さまざまながんに対して治療適応が拡大され1),進行期のがん治療において,殺細胞性抗がん剤,キナーゼ阻害薬,血管新生阻害薬と並んで治療のひとつの柱として位置づけられている.がん免疫療法は奏効が得られれば長期に治療効果が期待できるという利点がある反面,患者集団全体としての奏効率は限定的であり,奏効する可能性の高い患者をあらかじめ層別化するためのバイオマーカーの重要性が当初から指摘され,多くのトランスレーショナル研究が実施されている.本稿では,これまでがん種横断的に評価されてきたバイオマーカーとコンパニオン診断の実例,当研究室で腫瘍浸潤リンパ球の解析から見出したバイオマーカーについて紹介する.さらに,ICI単剤治療における治療抵抗性機序をバイオマーカーとした治療戦略について概説する.
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