Japanese
English
第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【腫瘍別の免疫作動薬の現状と展望(単剤→併用・新規)】
消化器がん(胃がん・食道がん)への免疫治療
Immunotherapy for advanced gastric and esophageal cancer
西塔 拓郎
1
,
土岐 祐一郎
1
Takuro SAITO
1
,
Yuichiro DOKI
1
1大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学
キーワード:
がん免疫療法
,
食道がん
,
胃がん
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
サブタイプ分類
Keyword:
がん免疫療法
,
食道がん
,
胃がん
,
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)
,
サブタイプ分類
pp.494-503
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105494
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
2017年9月に胃がんに対する後方ラインの治療としてニボルマブが保険承認されてから,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の早い段階への適応拡大,併用療法の開発が急速に進められてきた.2021年11月には一次治療として食道がんでペムブロリズマブと化学療法の併用療法,胃がんでニボルマブと化学療法の併用療法が,食道がんで術後補助療法としてニボルマブ単剤療法が保険承認された.臨床試験ではICIと化学療法との併用療法に高い治療効果が確認されるが,基礎研究においては併用による相乗効果の機序は明らかになっていない.胃がんのサブタイプ分類によりICIの治療効果が高い群があることも推測され,腫瘍内PD-L1発現を中心としたバイオマーカーの探索も精力的に取り組まれている.今後も周術期治療へのICIの導入や,分子標的薬をはじめとした併用薬の開発が積極的に行われることが予想される.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.