Japanese
English
特集 IgG4関連疾患――解明されてきた新たな病態
全国調査からみた自己免疫性膵炎の現況
Nationwide epidemiological survey of autoimmune pancreatitis in Japan
菊田 和宏
1
,
正宗 淳
1
Kazuhiro KIKUTA
1
,
Atsushi MASAMUNE
1
1東北大学大学院医学系研究科消化器病態学
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
IgG4関連疾患
,
膵外病変
,
ステロイド維持療法
,
再燃
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
IgG4関連疾患
,
膵外病変
,
ステロイド維持療法
,
再燃
pp.117-120
発行日 2021年1月9日
Published Date 2021/1/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27602117
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自己免疫性膵炎は,1995年に日本から提唱された疾患概念であるが,現在では1型自己免疫性膵炎はIgG4関連疾患の膵病変と考えられるようになっている.全国調査によれば,2016年1年間に全国の医療機関を受診した自己免疫性膵炎患者は13,436人と推計され,増加傾向にある.黄疸の出現などが診断契機となることが多いが,画像診断などで偶発的に拾い上げられる無症候性の症例も存在する.超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)により膵病変の病理組織学的評価が行われる症例が増加傾向にある.膵外病変は60.0%の症例に認められており,膵外病変の48.6%は硬化性胆管炎であり,33.3%が涙腺・唾液腺炎,17.1%が後腹膜線維症であった.ステロイド治療が奏効し,98.6%が治療に反応していたが,再燃も多く,再燃率は3年で14%,5年で25%,10年で40%,15年で50%であった.
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