Japanese
English
特集 自己免疫性膵炎の最前線
自己免疫性膵炎のステロイド療法
Steroid therapy for autoimmune pancreatitis
渡邊 弘之
1
,
神澤 輝実
2
,
若林 時夫
3
Hiroyuki WATANABE
1
,
Terumi KAMISAWA
2
,
Tokio WAKABAYASHI
3
1福井県済生会病院 内科
2がん・感染症センター都立駒込病院 消化器内科
3石川県済生会金沢病院 消化器科
1Department of Inter Medicine,Fukui Saiseikai Hospital,Fukui
2Department of Internal Medicine,Tokyo Metropolitan Komagome Hospital,Tokyo
3Department of Internal Medicine,Ishikawa Kanazawa Saiseikai Hospital,Ishikawa
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
長期予後
,
ステロイド治療
,
血清IgG4
,
再燃
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
長期予後
,
ステロイド治療
,
血清IgG4
,
再燃
pp.655-664
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100211
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要旨
自己免疫性膵炎(AIP)に関して,2008年の厚生労働省難治性膵疾患調査研究班からAIPのステロイド治療と再燃に関する報告と改訂ガイドラインが示され,PSLの維持投与量は5~7.5mg/日で初期投与から3年間維持することが推奨された.私共のAIPの長期予後の検討から,AIPのステロイド治療は,膵胆管の形態学的改善や血清学的改善の不十分な症例では,再燃率が高く維持療法が必要であることを示した.第50回日本消化器病学会で「AIPのステロイド投与の意義」のシンポジウム参加施設による共同研究で,AIPの標準治療として初期PSL投与量は0.6mg/kg/dayで3~6か月以上かけて減量することが推奨された.PSL低容量の維持療法は,再燃を減少させるが,再燃を完全に防止できないと結論された.
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