特集 消化器内科医のためのIgG4関連疾患
7.自己免疫性膵炎・IgG4関連硬化性胆管炎の予後
窪田 賢輔
1
,
栗田 裕介
1
,
高木 由理
1
1横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
IgG4関連硬化性胆管炎
,
再燃
,
癌
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
IgG4関連硬化性胆管炎
,
再燃
,
癌
pp.655-662
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001793
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自己免疫性膵炎(AIP),IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)の標準治療はステロイドであり,いずれも寛解導入後,最低2~3年の維持療法を行う.予後は良好であるが,再燃はおよそ30%に認める.再発例にもステロイド投与が有効である.自然寛解はAIPの一部の疾患活動性の低い症例で認めるが,再燃することが多い.再燃を繰り返す症例は,囊胞形成や,膵石を伴い慢性化することがある.癌化はまれであるが,膵癌はAIPの診断3~8年後に散見され,慢性膵炎の発癌とは異なる機序も推定される.IgG4-SCでは,ほぼ90%にAIPが合併するため,予後はAIPに類似する.しかし一部はisolated IgG4-SCとして発症し,鑑別困難なため,切除となることがある.長期予後はおおむね良好である.
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