Japanese
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特集 これだけは知っておきたい間葉系腫瘍
Topics
Merkel細胞癌~最近の進歩~
Merkel cell carcinoma~an up-to-date review~
森 裕美
1
,
山元 修
1
Hiromi Mori
1
,
Osamu Yamamoto
1
1鳥取大学医学部感覚運動医学講座皮膚病態学分野
1Department of Sensory and Motor Organs, Division of Dermatology, Faculty of Medicine, Tottori University
キーワード:
Merkel細胞癌
,
Merkel cell polyomavirus
,
アベルマブ
Keyword:
Merkel細胞癌
,
Merkel cell polyomavirus
,
アベルマブ
pp.374-380
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000002015
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Merkel細胞癌は1972年にTokerが“trabecular carcinoma of the skin”として最初に報告したまれな皮膚原発悪性腫瘍である1).Merkel細胞との類似性からその名称が使われるようになったが,組織発生や発癌メカニズムは不明な点が多く,臨床像,病理組織学的所見,臨床経過も多様性に富み謎の多い腫瘍であった.
2008年に新種のポリオーマウイルスであるMerkel cell polyomavirus(MCPyV)がMerkel細胞癌の約8割で検出されることが報告され2),発癌との関連が明らかとなってきた.MCPyVの発見以来,本腫瘍の研究は飛躍的に発展し,臨床面でも近年大きな進歩があった.以前は根治切除不能なMerkel細胞癌に対して予後を改善する化学療法がなく,本邦で保険適用のある薬剤もなかったが,2017年に抗PD-L1抗体であるアベルマブが本邦でも保険適用薬として承認された.従来の化学療法と比べ長期的な予後改善効果が期待されている.また,2018年にはMerkel細胞癌に対するセンチネルリンパ節生検が保険収載された.
(「はじめに」より)
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