特集 自然消褪する皮膚病
臨床例
胃癌術後、速やかに消褪したmalignant acanthosis nigricans
善家 由香理
1
,
中野 敏明
,
新井 達
1聖路加国際病院 皮膚科
キーワード:
Addison病
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
Darier病
,
魚鱗癬
,
黒色表皮腫
,
自然寛解
,
鑑別診断
,
生検
,
Bazex症候群
Keyword:
Acanthosis Nigricans
,
Addison Disease
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Ichthyosis
,
Gastrectomy
,
Darier Disease
,
Stomach Neoplasms
,
Remission, Spontaneous
,
Bazex-Dupre-Christol Syndrome
pp.503-506
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016298356
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73歳男性。胃体部下部前壁の胃癌と診断された同時期より顔面、腋窩、鼠径部、手指の色素沈着と角化が出現した。著者らの施設へ受診後、所見では顔面と両側の腋窩ほか、鼠径部に褐色角化性局面がみられた。更に手指関節背面や側縁におろし金状の角化性局面がみられたこと、病理組織学的に過角化と表皮の乳頭腫状変化を認めたことから、総じて本症例はmalignant acanthosis nigricansと診断された。皮膚症状は貧血、黒色便など胃癌の初期症状とほぼ同時期に出現したが、胃全摘術から経過約2週間で速やかに自然消退した。目下、胃癌術後7年が経過するが、腫瘍の再発や皮膚症状の再燃はみられていない。
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