特集 自然消褪する皮膚病
臨床例
手部に生じた悪性黒色表皮腫
大歳 晋平
1
,
佐々木 美紀
,
佐藤 雅道
,
内田 隆夫
,
末木 博彦
1昭和大学藤が丘病院 皮膚科
キーワード:
Diphenhydramine
,
胃腫瘍
,
いぼ
,
黒色表皮腫
,
掌蹠角皮症
,
鑑別診断
,
生検
,
多剤併用療法
,
経皮投与
,
尿素
,
皮膚疾患-手部
,
致死的転帰
,
ゆうぜい状肢端角化症
Keyword:
Acanthosis Nigricans
,
Administration, Cutaneous
,
Biopsy
,
Diagnosis, Differential
,
Drug Therapy, Combination
,
Diphenhydramine
,
Hand Dermatoses
,
Darier Disease
,
Keratoderma, Palmoplantar
,
Stomach Neoplasms
,
Urea
,
Warts
,
Fatal Outcome
pp.507-510
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016298357
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
59歳男性。進行胃癌に対する緩和ケア治療中に両手掌のそう痒を伴う角化性局面が出現、徐々にこれが拡大し、手背に疣状の小結節も出現した。今回、著者らの施設へ受診後、所見では皮疹は手部のみであったが、色素沈着を伴う特徴的なおろし金状の乳頭腫状丘疹が認められた。胃癌の病歴と病理組織学的所見をあわせて、本症例は総じて胃癌に伴った悪性黒色表皮腫と診断された。以後、皮膚生検を行なうとともに皮疹に対し尿素軟膏、レスタミンクリームの外用を開始したところ、1ヵ月後には手部の皮疹、そう痒ともに著明に軽快した。だが、手、前腕に認めた疣贅状皮疹については変化がなかった。尚、皮疹の再燃や増悪は認められなかったが、患者は皮疹出現から9ヵ月目に死亡となった。
Copyright© 2016 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.